
地上戦セールス:客先の沈黙を開発へ持ち帰る
客先の沈黙を開発へ持ち帰る。 セールスの仕事は、うまく話すことだと思われがちだ。 けれど、EEGで必要としている地上戦のセールスは、話す人である前に、現場の反応を正しく持ち帰る人だ。 ネットで資料を見せる。LPを作る。広告を出す。問い合わせ…

EEG Editorial
Content Team
売り込みは嫌われ役ではなく顧客理解である。 この言葉を、きれいごととして言いたいわけではない。売り込みという言葉には、たしかに嫌な響きがある。相手の時間を奪う。必要ないものを押しつける。都合のいい数字だけを見せる。そういう営業を見てきた人ほど、売り込みという言葉に身構えると思う。 ぼくも、そういう売り方は好きではない。 でも、本来のセールスは嫌われ役ではない。特に、まだ世の中に十分知られていないサ…
売り込みは嫌われ役ではなく顧客理解である。
この言葉を、きれいごととして言いたいわけではない。売り込みという言葉には、たしかに嫌な響きがある。相手の時間を奪う。必要ないものを押しつける。都合のいい数字だけを見せる。そういう営業を見てきた人ほど、売り込みという言葉に身構えると思う。
ぼくも、そういう売り方は好きではない。
でも、本来のセールスは嫌われ役ではない。特に、まだ世の中に十分知られていないサービスを扱う時、セールスは顧客理解の最前線に立つ仕事になる。
ネットで資料請求してくれる人だけを相手にするなら、たしかに売り込みは軽く見えるかもしれない。だが、EEGで考えているのは、オンデマンドでは届かない客先へ足を運ぶ地上戦だ。そこには、まだ言葉になっていない課題がある。本人たちも気づいていない不満がある。会って話して初めて、少しずつ形になる需要がある。
顧客は、自分の困りごとを最初から正確に言語化できているわけではない。
これは、相手の能力が低いという話ではない。現場にいる人ほど、今のやり方に慣れている。面倒だと思いながらも、それが普通になっている。毎月の手作業、二重入力、属人的な確認、誰も見ない管理表。外から見ればおかしいことでも、中にいると日常になる。
人は、今の状態を変えることに抵抗を持つ。新しいサービスが良さそうに見えても、導入の手間、上司への説明、失敗した時の責任、現場の反発を想像して止まる。
だから、ただ資料を置いて待つだけでは届かない。
セールスが客先へ行き、相手の言葉を聞き、沈黙の理由を見る。何に引っかかっているのか。どの説明で顔が上がるのか。どの機能に興味を示し、どの言葉で急に遠ざかるのか。そういう細かい反応を拾うことで、初めて顧客の現実が見えてくる。
売り込みは、相手を説き伏せる作業ではない。
相手の現実を、こちらが理解する作業でもある。
作った本人は、自分のサービスをよく知っている。
なぜその機能を作ったのか。どこを一番見てほしいのか。どんな使い方をしてほしいのか。頭の中には、たくさんの意図がある。
でも、その意図が顧客にそのまま届くとは限らない。
顧客は、作り手の理想ではなく、自分の仕事の文脈でサービスを見る。便利そうか。面倒が減るか。上司に説明できるか。今の業務を壊さずに入れられるか。料金を払う理由を言葉にできるか。
このズレは、会話しないと見えにくい。
商談で出てくる何気ない一言が、次の改善のヒントになる。「そこは今もExcelでやっています」「管理者が増えると困るんです」「現場はスマホしか触りません」「決裁者はそこを見ません」。こういう言葉は、広告管理画面だけを見ていても拾えない。
セールスは、その言葉を持ち帰る。
ただ売れた、売れなかったで終わらせない。どこで伝わったのか。どこで詰まったのか。どの不安を消せば導入に近づくのか。作った本人が次に直すべき場所を、現場の言葉で渡す。
それができるセールスは、開発の外側にいる人ではない。
サービスを強くする共同当事者だ。
EEGは、Engineers’ Ego Guild。日本語の芯は「エンジニアの矜持を取り戻すギルド」だ。
組織としては、7割がサービスをゼロからリリースまで作れるエンジニア。3割がセールス、マーケター、UI/UXデザイナー、資金調達、経営のプロ。
利益配分は、11がエンジニア、つまり作る人。6がプロフェッショナル。3がEEG。
火曜の地上戦セールスにおける6は、ネットでは届かない顧客へ届け、売上を作る仕事への報酬だ。足を運び、対話し、信頼を作り、導入まで進める。その過程で顧客の言葉を拾い、作った本人の改善へ戻す。
これは、ただの紹介料ではない。
作ったサービスを市場に接続する仕事だ。
主役はあくまで作った本人でいい。けれど、主役が一人で客先のすべてを見られるわけではない。だから3割のプロがいる。作った本人の主体を奪わず、むしろその人が市場の現実を見られるようにするためにいる。
EEGで一緒にやりたいセールスは、押し込む人ではない。
相手の課題を聞ける人。言葉になっていない不安を拾える人。導入の障害を一つずつ見つけられる人。商談で拾った言葉を、作った本人へ戻せる人。そして、作り手の熱を消さずに、顧客の現場の言葉へ翻訳できる人。
売り込みを、嫌われ役の仕事で終わらせたくない。
売り込みは、顧客理解である。
まだ検索されていない課題に会いに行くこと。まだ言葉になっていない不満を聞くこと。まだ選択肢として認識されていないサービスを、相手の現実に接続すること。
AIで作る速度が上がった時代ほど、この地上戦の価値は上がる。作れる人が増えるからこそ、顧客の現場で何が本当に刺さるのかを見つける人が必要になる。
オンデマンドが通用しない客先へ行ける人。
嫌われ役ではなく、顧客理解のプロとして売れる人。
その力を、EEGの3割として貸してほしい。